日本では、明治時代初期まで「お歯黒(おはぐろ)」の習慣がありました。
植物のタンニンと鉄から作られた溶液を歯に塗っていたそうです。
よく「既婚女性の証」とか言われますが、笑ったときに歯を目立たなくし、顔つきを柔和に見せる効果があるとも言われていますね。
では、少し歯科の観点から考えてみましょう。
実は、驚くことに、お歯黒を施した歯にはむし歯がほとんどなく、またむし歯が始まってから結婚してお歯黒を付け始めたと思われる女性では、虫歯の進行が停止していたことが、塚や墓から掘り起こされたものかわかったそうです。
なるほど、歯科衛生が十分に進歩していなかった時代、お歯黒にはむし歯を予防する作用があるばかりでなく、その進行を抑制し、さらに知覚を鈍麻する作用があったのですね。
今日は「お歯黒」のちょっと面白い話でした。