【歯科医が解説】口臭はなぜ臭う?病気・食べ物・ストレス…詳しく説明!

口腔内の状態が原因となる場合

口腔衛生の不良
プラークや歯石の蓄積: プラークは細菌の集合体であり、食べ物の残りや唾液の成分が結びついて形成されます。これが硬化して歯石となり、細菌が増殖しやすくなります。これにより、悪臭を放つ化合物が生成されます。
舌の汚れ
舌の表面に細菌や食べ物の残りが溜まり、悪臭の原因となります。舌苔(ぜったい)とも呼ばれます。
歯周病
歯茎の炎症で、プラークや歯石の蓄積によるものです。歯茎が赤く腫れ、出血しやすくなり、悪臭を放つことがあります。
歯肉炎が進行すると、歯を支える骨や組織が破壊されます。これにより、歯がぐらぐらすることがあるため、早急な治療が必要です。
虫歯
治療されていない虫歯: 虫歯の進行により、細菌が歯の内部に入り込み、腐敗臭を放つことがあります。
口内乾燥
唾液は口腔内の細菌や食べ物の残りを洗い流す役割があります。唾液の分泌が減少すると、細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなります。
食べ物の残りが残っている・歯を磨けてない
食べ物の粒が口内に残ること: 食べ物の残りが口内に滞留すると、細菌が増殖し、悪臭を放つことがあります。

食べ物と飲み物が原因となる場合

強い臭いの食べ物

ニンニク
ニンニクに含まれるアリシンは、体内で吸収されて血流に乗り、肺を通じて呼気として排出されます。これにより口臭が発生します。
玉ねぎ
玉ねぎもニンニクと同様のメカニズムで口臭を引き起こします。
スパイス
一部のスパイスは強い臭いを持ち、それが口臭の原因となります。

飲み物

アルコール
アルコールは口腔内の乾燥を引き起こし、唾液の分泌を減少させます。また、アルコール自体の臭いも口臭の原因となります。
コーヒー
コーヒーの成分や酸性度が口腔内の環境を変化させ、口臭を引き起こすことがあります。

生活習慣

タバコ
タバコの煙には多くの化学物質が含まれており、これが口腔内に残ることで口臭を引き起こします。また、タバコは唾液の分泌を減少させ、口腔内の乾燥を引き起こします。
飲酒
アルコールは体内で代謝され、臭いのある物質が呼気として排出されます。また、口腔内の乾燥を引き起こします。

内蔵系の問題を抱えている場合

逆流性食道炎(GERD)
胃酸が食道を逆流し、口腔内に酸っぱい臭いや腐敗臭をもたらすことがあります。
胃潰瘍
胃の炎症や感染が原因で、口臭を引き起こすことがあります。
慢性鼻炎
鼻腔内の感染や炎症が原因で、鼻から悪臭が発生することがあります。
扁桃炎
扁桃腺に細菌が感染し、膿や死んだ組織が蓄積されることで口臭を引き起こします。
喉頭炎
喉の炎症が原因で、悪臭を伴うことがあります。
糖尿病
血糖値のコントロールが不良な場合、ケトン体という化学物質が体内で生成され、これが呼気として排出されることで甘酸っぱい口臭が発生します。
ケトン体が口臭・体臭の原因となっている場合、ケトン体試験紙でケトン体の発生を確認する事ができます。
amazonやYahooショッピング等で1,000円程度にて買う事ができますので、気軽に確認する事ができますが、ダイエットによる炭水化物等の制限により、脂肪の分解が進んでいる事がケトン体発生の原因となっている事もあります。
肝疾患
肝機能が低下すると、体内で毒素が蓄積し、これが口臭の原因となります。
腎疾患
腎機能が低下すると、体内の老廃物がうまく排出されず、口臭が発生することがあります。

ダイエットや断食が原因となる場合

体が脂肪を燃焼する際に生じるケトン体
ケトン体は脂肪の分解によって生成される化合物であり、これが呼気として排出されることで特有の口臭が発生します。
ケトン体ダイエットを行っている方は注意が必要です。
ケトン体が口臭・体臭の原因となっている場合、ケトン体試験紙でケトン体の発生を確認する事ができますが、必ずしもダイエットだけがケトン体の発生条件ではありません。糖尿病等恐ろしい疾患が原因である事もありますんどえ、意識的なダイエットをしていないのにケトン体の値が高い場合、医師に相談した方が良いでしょう。
ストレスが原因で唾液の分泌が減少すること
ストレスは自律神経系に影響を与え、唾液の分泌が減少することがあります。これにより、口腔内の細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生します。

まとめ

以上のように口臭の原因は様々です。
食べ物が原因でない場合は、その裏に重篤な症状が隠れている場合もあります。
体からのサインを見落とさず、病院の受診をお勧めいたします。