お歯黒は健康に良い…?

日本では、明治時代初期まで「お歯黒(おはぐろ)」の習慣がありました。
植物のタンニンと鉄から作られた溶液を歯に塗っていたそうです。

よく「既婚女性の証」とか言われますが、笑ったときに歯を目立たなくし、顔つきを柔和に見せる効果があるとも言われていますね。

では、少し歯科の観点から考えてみましょう。
実は、驚くことに、お歯黒を施した歯にはむし歯がほとんどなく、またむし歯が始まってから結婚してお歯黒を付け始めたと思われる女性では、虫歯の進行が停止していたことが、塚や墓から掘り起こされたものかわかったそうです。

なるほど、歯科衛生が十分に進歩していなかった時代、お歯黒にはむし歯を予防する作用があるばかりでなく、その進行を抑制し、さらに知覚を鈍麻する作用があったのですね。
今日は「お歯黒」のちょっと面白い話でした。

お釈迦様は弟子に歯磨きを教えた…?

大昔の人々は、今よりも固くて繊維の多いものを食べていたため、虫歯は比較的少なかったと言われています。
それでも、歯の隙間に挟まった食べかすは、時々草や小枝を使って取り除いていたようです。

最も歯磨きの記録と言われているのは、、紀元前5千年のバビロニア人。
食前に必ず麻の繊維を指に巻き、歯の清掃をしていたと言います。
食前というのが意外ですね。
そうした歯磨きの習慣は、バビロニア人からギリシア人へ受け継がれていきました。
ギリシア人はその習慣を進化させ、
口をすすいで歯ぐきにマッサージを施すことを考案したと言われています。

アジアではどうかと言えば、
お釈迦様(紀元前500年)が弟子たちに木の枝で歯を磨くことを教えた記録があるようです。
これが楊枝と歯ブラシの元祖ですね。
実は仏教では、楊枝が僧侶が常に身につけておくべき道具の1つ。
きっと歯(口)から身を清めておきましょうということでしょうか。

歯磨きには古い歴史があるんですね。
現代の「正しい歯磨き」は、人類の長い長い歴史で創り上げられたものだと考えると、「上手に歯磨きをする」事の大切さが少し理解出来るのではないでしょうか。

「芸能人は歯が命」っていつのCM?

「芸能人は歯が命」というこのフレーズ、みなさん聞いたことはありますでしょうか?
このフレーズは1995年から放送された、「アパガード」という歯磨き粉のテレビCMがきっかけで流行語大賞にもなった名言です。

「芸能人は歯が命」とは

「アパガード」は1985年、サンギ社から高機能な歯磨き粉として発売された商品です。
1995年からは東幹久さんと高岡早紀さん出演のバージョンが、1997年には新シリーズとして諸星和己さんと藤原紀香さんバージョンも放送されていました。

「芸能人は歯が命」のCM製作費は10億円とも言われていますが、「アパガード」はこのCMが大流行したこともあり、大ヒットをしました。

  • 放映から1週間で1年分の在庫約30万本が完売
  • 1996年のサンギ社の年間売り上げは140億円に達するほど大ヒット

ですが、実はこのキャッチコピー、当初は「芸能人は歯が白い」というコピーだったそうです。
「芸能人でも歯が白くない人もいる」という東京都の薬事監視指導を受け他ことにより「芸能人は歯が命」に変更されたそうです。
もし、何も問題がなく「芸能人は歯が白い」というコピーが通れば、なければこの名言は生まれず、この大ヒットもなかったかもしれません。

まとめ

芸能人のみなさんは歯を綺麗にしている人が非常に多いですよね。
ちなみに、東幹久さんは20年以上経ってからも、オーラルケア商品『フラックス』のCMに起用をされるなど、綺麗な歯を保ち続けているそうです。
歯が綺麗なことは、素敵な見た目を維持するための重要な要素ですね。

【歯が浮く】ことわざの意味と語源・由来

「歯が浮く」という歯に関することわざがありますが、みなさんご存知でしょうか。
今回は、「歯が浮く」の意味・由来・例文をご紹介いたします。

歯が浮くの意味とは

歯が浮くという言葉には大きく分けて2つの意味があると言われています。

  1. 軽薄な言動に接して、不快な気持ちになること
  2. 不快な音を聞いたり、酸っぱい物を食べたりして、歯の根がゆるんで浮くように感じること

歯が浮くの語源・由来とは

歯が浮くの意味は、上記の2つどちらも感覚についての「違和感」を表現するときに使用するのが適切です。
歯の根が緩んで、歯が浮いたように頼りなく感じられる意からそのような言葉が使われていたと言われています。
たとえば、虫歯などで歯の根元部分がグラグラしてるときは非常に落ち着かない気持ちにならないでしょうか。
また、梅干しやレモンなど酸っぱいものを食べたとき、唾液がたくさん出て感覚がマヒするような、ふわふわして手応えの無い感じが「歯が浮く」ということ意味の由来です。
そして、「見え透いた嘘やお世辞」などを言われた際に、本当はそんなこと思っていないとわかっているのに、指摘できないもどかしさを感じることから、同様にその状態を示す言葉として「歯が浮く」が使われるようになったそうです。

「歯が浮く」を使った例文をご紹介

次は「歯が浮く」を使った例文をいくつかご紹介します。

  • 私の彼氏は、ロマンチックな性格で、歯が浮くようなセリフを言うが、イケメンなのでお世辞とはわかっていてもついつい喜んでしまう。
  • 彼女は、上司と話す時、歯が浮くようなお世辞ばかりを言うので、同僚からは毛嫌いされている。
  • この歯科医院では、お客様のような健康的で白い歯の方は大歓迎ですと、歯の浮くようなことを言う衛生士が人気らしい。

この言葉を使われた側は基本的に、批判されていたり、なぜ思ってもいないのにそんな発言をするのだろう疑問視されている場合に使用される言葉です。
¥ 古いイメージですが、プレイボーイが女性を口説くような場面でよく使われることもある表現です。

まとめ

「歯が浮く」には「鼻につく」などの類義語や、「誠心誠意」というような対義語があります。
そちらに関しては、また次回ご説明をしていきます。
「歯が浮く」の使い方がわかると、「歯が浮いた」感覚の嫌な感じがリアルに感じられるかと思います。
みなさんも、「歯の浮く」ような言動を取っていないか、注意しましょう!
また、本当に歯が浮いているような感じがしたときは、迷わず歯医者さんに相談してくださいね。

「目には目を、歯には歯を」の本当の意味

「目には目を、歯には歯を」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
現代では、これを「やられたらやり返せ」というような意味で使っているかと思いますが、実はこの言葉はもっと違う、いや、正しい解釈があるそうです。
今回はそんな「目には目を、歯には歯を」について解説します。

「目には目を、歯には歯を」の本当の意味

「目には目を、歯には歯を」は、人類史上最古の記録された法典と言われている『ハンムラビ法典』で出てくる復讐について定めた一説で登場する言葉です。
一般的には、「こちらがやられたことと、同等の報いを相手にも与えてよい」という知られています。
ですが、『ハンムラビ法典』を紐解くと、この一説の意味は「復讐してもいい」ではなく、「こちらがやられたこと以上の過剰な復讐をしてはならない」と、報復合戦が過剰になることを防ぐ目的で条文化されたのではないか?という学説が有力になっているそうです。
当時は法律などはまだなかったため、無法地帯になっていた現状をこの法で収めようとしたのかもしれませんね。

まとめ

今回は、歯という言葉が出てくる「目には目を、歯には歯を」についてご紹介しました。
『ハンムラビ法典』の後書きには、王の願いとして「強者が弱者を虐げないように、正義が孤児と寡婦とに授けられるように」との文言も記載されています。
ハンムラビ王は『ハンムラビ法典』を、まだ法律がしっかりと制定されていなかった時代に、無法者の抑止力として必要だと考え作ったのではないかと言われています。
優しい心を持った王様だったのかもしれないですね。
現代ではやり返すというより他のことで発散することが多いと思いますが、皆さんもやりすぎには注意しましょう。

「歯」占い?

みなさん、「歯占い」ってご存知ですか?
ご存知ないですよね。私が作ったものですから(変な書き出しですみません!)。

これは以前から、歯科医師の間では感覚的に言われてきた、「ふんばる」「噛みしめる」「歯ぎしり」など生活習慣による歯の摩耗や噛みあわせの関係性とそこから読み取れるその方の性格を、私なりの視点でまとめたものです。

さらに、この「歯占い」は、その人がこのままの生活を送った場合、何歳くらいで歯を失うかというその人の「未来」までもがおおよそ予測できるんですよ。

歯占いでわかるあなたの性格!?

噛みあわせが深い
忍耐強い性格(強いストレスを食いしばることで日々耐え忍んでいる)
前歯が出ている
お話好きで明るい性格(舌の筋力が強いので前歯が前に押されて出てくることが多い)
下の歯に虫歯が多い
おおらかな性格(比較的磨きやすい下の歯に磨き残しが多く虫歯になっているのは、細かいことを気にしない性格ゆえ?)
歯の表面に凸凹が多い
完璧主義な性格(歯ブラシで磨く最に、ゴシゴシ磨き過ぎ。力が入り過ぎている)
右の歯がすり減っている
内向的で繊細な性格(右利きの人であれば左側が磨きやすくすり減りやすい。にも関わらず右がすり減るのは素直に自分を出せないところがある?)
左の歯がすり減っている
素直で自分に正直な性格(右利きの人であれば左側が磨きやすくすり減りやすい。だから、自分の気持に素直ではあるがな側面が)

あくまでも経験に基づく私見によるもので、医学的根拠はありませんので、あしからず。

でも、こうして考えると、「歯」ってけっこうかわいいなって思いませんか? もちろん、歯を失わないために日々治療や口腔内の環境に関して 指導していきますよ。 一緒に健康な歯のためにがんばりましょうね!

歯が抜ける夢っていい夢?悪い夢?歯の夢を解説。

みなさんは、自分の歯が抜ける夢、歯が痛い夢など、「歯」に関する夢を見たことがありますか?
歯が抜けた夢などをみると、起きたときに少し心配な気持ちになる方も多いかもしれません。
今回は、そんな歯に関わる夢に、それぞれどんな意味があるのかをご紹介していきます。

歯が象徴しているものとは

夢に出てくる歯は、食べ物を体に取り込む際の入り口になっていることから、生命力を象徴してると言われています。
深層心理では、歯を健康状態の指標としてイメージしているようです。
肉体的な健康状態もそうですが、心の健康状態のことも暗示している場合があります。
歯が抜ける、ボロボロになるなど、悪い印象の夢をみた場合には「そうなってしまわないように早めに健康を意識して気をつけましょう」という深層心理からのメッセージと考えると良いそうです。
また大きなストレスが溜まり、心が疲れている場合にこの夢を見ることもあり、不安や憂うつな気持ちを吹き飛ばし、ストレスを解消したいというメッセージを秘めている場合も。
一方で、夢を見るまでの間で苦境にあった人が歯の抜ける夢を見たら、開運の兆し。逆に、好調な人にとっては、運気が下降する暗示となる場合もあります。

歯に関する夢についての解説

ここからは、歯に関する夢が示す意味について解説していきます。

すべての歯が抜ける夢

すべての歯が抜ける夢は人生の「大きな変化」を表していると言われています。
今まで持っていた価値観が一気に変わる、生活辺境がガラッと一変するなど、大きな変化が起こるかもしれません。
人生に悩んでおり、行き詰まりを感じている方が、この夢を見た場合は、悩みから解放される可能性のある吉夢だと言われています。
逆に、人生に大きな問題がなく順調であると感じている人にとっては、家族や仕事や自分に関わる環境に良くない変化が起こる可能性を暗示していると言われています。
夢の中の抜ける歯の本数に応じて、変化の度合いも変わると言われています。

前歯が抜ける夢

「前歯」は人からの評価や社会的な地位を示し表すものといわれています。
知人からの評価が下がるきっかけに遭遇したり、職場での評価に関わるトラブルが起こる可能性を暗示していると言われています。
周りからの目が気になってストレスを感じているのかもしれません。
また、前歯が抜ける夢は家族にトラブルが起きる暗示とも言われています。最近家族との連絡を取っていなかったなという方は、是非問題が起きていないか連絡してみるのが良いでしょう。

奥歯が抜ける夢

「奥歯」は家族の中の年長者を表すものと言われています。
奥歯が抜ける夢を見た場合には、家族の年長者に何かトラブルが起きる前兆かもしれませんので、気にかけるようにしましょう。
また、奥歯は家族だけでなく、自分にとって大事な人をや親しい人のトラブルも暗示していると言われています。
何かトラブルが起きている可能性はないかあ振り返って早めの対処を心がけるのが良いと言われています。

歯が抜けそうになる夢

夢の中で歯が抜けてしまいそうな感覚を感じている、グラグラしている夢なんて、想像するだけで嫌な気持ちになりますね。
歯が抜けてしまいそうな夢は、生活の不安定さを暗示していると言われています。
自身の心身の不調や、収入面の不安を感じている場合も多いようです。
もし、歯が抜けそうになる夢をみてしまった方は、生活習慣や、お金の使い方など、普段の生活を見直してみましょう。

歯が折れる夢

歯が抜ける夢の場合は、良い変化に繋がることもありますが、歯が折れる夢は悪いことを示す場合が多いと言われています。
歯が折れる夢は、準備をしてきた計画や仕事に対して、途中でくじけてしまうといった気持ちの状態を現しており、挫折を象徴すると言われています。
エネルギー不足やモチベーションの低下などを感じている際にみる場合が多いようです。
もし歯が折れる夢をみた場合には、いったん休息を取り、自分自身を見つめ直してみる時間を作ってみるといいかもしれません。

歯が痛い夢

歯が痛い夢は、あなたのコンプレックスや、自身喪失を現している場合が多いようです。
気力を失っており、何かに積極的に取り組むことができない状況の場合が多いようです。
気力に伴って、問題解決能力も低下しているため、身の回りに起こる問題や困難に対処できず、経済的にも困窮する可能性を暗示すると言われています。
恋愛にも積極的になれない気持ちになってる場合などにもこの夢をみるようです。
夢の中での痛みの感覚が大きい場合は、実際に虫歯になっている可能性もあるようなので、歯医者さんに行ってみても良いかもしれません。
歯に関する夢は、自分の人生を振り返るいい機会かもしれません。もし、怖い夢を見た場合にも、慌てずに自分の生活を見直してみましょう。

まとめ

上記でいくつかご紹介しましたが、歯に関する夢は共通してあなた自身に関することです。
歯に関する夢を見た人は、自分の周りや自身を振り返ってみましょう。
もしかしたら、現状や今後来る危機を脱する一助になるかもしれませんよ。
ただ、夢から覚めた後も歯が痛い、歯が抜けそうと感じた方は要注意です。

「歯に衣着せぬ」って?気になる言葉を解説。

「歯に衣着せぬ」とはどのような状態を指すのか、みなさんご存知ですか? 今回は「歯に衣着せぬ」の意味と由来について解説いたします。

「歯に衣着せぬ」の読み方と意味

まず、「歯に衣着せぬ」は「はにきぬきせぬ」と読みます。
「きぬ」の部分を誤って「絹」と書いてしまわないように注意が必要です。
言葉を飾ることなく率直に意見を述べるとこや、遠慮なハッキリと物を言うこと意味する慣用句です。
相手の感情や思惑を気にせず、思ったままのことを言うと相手の反感を買ってしまうような印象を受ける方もいるかもしれませんが、「歯に衣着せぬ」には率直さを称える褒め言葉として使う表現です。

反対語には「奥歯に物が挟まる」という言葉があります。

「歯に衣着せぬ」の由来

「歯に衣着せぬ」は、 「歯を隠さない」という意味が由来です。
歯を隠すことの比喩として使われていて、歯を隠さないということを表します。
歯を隠すと話ができませんので、口をつぐむということとなり、歯を衣で隠さない様子は、物事をはっきりと言うことを表します。
さらに、衣は身を隠すだけでなく飾る働きもあることから、言葉を飾らず率直に意見を言うことを示す「歯に衣着せぬ」に結びついたと言われています。

まとめ

言葉は聞いたことがあったけど、正しい意味や由来は知らなかったという方もいらっしゃったのではないでしょうか。 次回は「歯に衣着せぬ」の言葉の使い方や、例文をご紹介していきます。